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ここでは、その表現について調べたり、考えたりしたことを書きたいと思いました。
コーヒーをいれるというとき、当てる漢字は「入れる」「淹れる」が主な候補で、次点として「煎れる」があるようです。
人によっては、コーヒーを点てる、という表現もしていますね。動画でも、たまに聞きます。
結論から書くと、どれも間違いではないし、自分の考え方に従って書けばよいです。
以下、その結論に至る内容です。
基本的に、このサイトでは「コーヒーを入れる」と書くようにしています。
一部例外もありますが、意識はしています。
根拠としては「自分の趣味」で終わってしまうのですが、その決め方としては次の通りです。
・漢字の意味として妥当。
・常用漢字表に「珈」「琲」「淹」の字がない。
・気取った感じにしたくない。
知識をため込むと、時折どうしても「それはこういうことだよ」と言いたくなってしまうのですが、受け取り側では面白くないですよね。わかります。
自分が言われて、納得するような書き方をしたいと思います。できているのか、とは別になってしまっていますが、目標としてそうしています。
その結果として「入れる」を選択したのですが、結局は個人の趣味だなと。
そこはスタンスの違いということで、ご理解ください。
コーヒーという表記も珈琲と当てることができますが、似た理由でコーヒーを使うようにしています。
英語表現としての「コーヒーを入れる」は、make だったり brew だったりと、これも複数存在するのですが、また別途記事を作りたいと思います。
コーヒー関係のサイトや動画を見ていると、ちょくちょく使われているのが「淹れる」です。
この漢字の意味を調べると、お湯を注ぐタイプの茶器(急須)を利用した抽出方法をいうようです。
言うまでもないのですが、コーヒーは急須を利用しません。
ハンドドリップ用の抽出器具をイメージすると、似たような内容ではあるのですが、急須……?
ただ、日本のコーヒー文化でいうと、お茶の考え方を流用している部分があります。
飛行機が海の用語を流用しているのと、似たようなイメージですね。ないのなら、近い概念の言葉を利用する。
なので、そのまま「淹れる」を使っても問題ないと思います。
その抽出方法までを含めて表現する漢字からすると、フレンチプレスだとイメージが近く、ハンドドリップでも意味合い的にまだ納得感はあるのですが、サイフォン式になると常に火を当てるんですよね、あれ。
人が使っているのにまで口を出すつもりはありません。
自分で書くときには使いたくないなと思いました。
つまり、自分の趣味ですね。
焙煎の「煎」の字で、煎れる と読むそうです。
これを見たとき、思いました。
「コーヒーは、煎れるの字をあてるのがいいのでは?」
しかし、調べを進めていくと、どうにも問題があります。
文字の意味としては、煎茶が前提にあります。
煎茶を改めて調べてみたのですが、緑茶の製法のひとつだったり、抽出方法のひとつだったり、いまひとつ定義がはっきりしません。
製法としては、茶葉を蒸すようです。
コーヒーが直火なり半熱風なりで焙煎することをイメージすると、どうにも違和感が強いです。
なら抽出方法としてはどうか。
煎じ茶とも呼ばれますが、煎じるとは「鍋ややかん等で煮出す」といった内容で、これも違和感があります。
確実なのは、いずれも焙煎とは関係がなさそうということです。
ただ、常用漢字表には存在します。
「コーヒーは『焙煎』の煎の字をあてて煎れるものなのだ!」
と主張するのも楽しそうとは思いましたが、いたずらに混乱を招きかねず、責任ある大人としてはやめておくべきかなと。
趣旨とはズレるのですが、コーヒーを点てる、と表現する方もいらっしゃいますね。
コーヒーの抽出方法自体はお茶の概念から派生しているようなので、これも表現として間違いではないと思います。
「コーヒーを点てる」と表現している人に会った時、首を傾げるようなことはしたくなかったのでここに列挙してみました。
お茶を点てると言ったときは、茶筅を使います。
これを書くまで知らなかったのですが、点てる抹茶は篩にかけることがある ようです。
コーヒーでも、コーヒーベラで抽出中の粉をかき回すことはありますが、泡立てるまではやりませんね。
この記事で言及している、当用漢字表および常用漢字表の特徴については、次の通りです。
名称 | 制定年 | 記載漢字数 | 備考 |
当用漢字表 | 昭和 21 年(1946 年) | 1850 字 | 旧字体等の利用を極端に制限 |
当用漢字改訂音訓表 | 昭和 48 年(1973 年) | 1850 字 | 制限の緩和 |
常用漢字表 | 昭和 56 年(1981 年) | 1945 字 | 制限ではなく目安 |
改訂常用漢字表 | 平成 22 年(2010 年) | 2136 字 | 字の追加と削除 |
常用漢字表により廃止されるまで、当用漢字表が利用されていました。
文化庁のサイトに、当時の答申等が掲載されています。
https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kakuki/syusen/tosin02/index.html
当用漢字表は、日常で利用するための 1,850 文字が定義され、それ以外の利用は制限する内容です。
前書きに「使用する漢字の範囲を示したもの」とあり、それ以外は別の言葉にかえるか、かな書きするように強制されています。
外来語や動植物の名称、当て字もかな書きにするよう記載されているため、菊がきくだったり、珈琲がコーヒーだったりしたようです。
当用漢字表を根拠とすれば、「珈琲を淹れる」と書くのは認められません。
「珈琲」が当て字なのでかな書きとなり、「淹れる」が漢字表にないので別の言葉にかえる必要があるからです。
そういった制限は国語の理解を助ける部分があったのも認められますが、不便になった部分もまたありました。
なので、現在では当用漢字表は廃止され、常用漢字表が利用されています。
「当用漢字表にない文字は使わない」は、現在では有り得ないスタンスだと思います。
このページで言及している常用漢字表は、平成22年11月30日に、菅直人首相(当時)が定めた次の表のことです。
https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/kanji/index.html
⼀般の社会⽣活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使⽤の⽬安を⽰すものであって、表にないからといってかな書きを強制するようなものではありません。
現在でも一部かな書きになっているのは、常用漢字表が義務教育の範囲にもなっているので、表にない、読めない人がいる可能性のある難しい漢字を使うのは配慮が不足している、とされているようです。
コーヒーを楽しむために、コーヒーそのものを調べていくといろいろな情報がでてきます。
産地であったり、品種であったり、豆の精製であったり、焙煎であったり、エイジングであったり、粉にするだったり、抽出するだったり、飲むだったり。
ひとつの工程ごとに、こだわるポイントがあって驚かされます。
そんな驚きを、記録に残しておけたら。
ここでは、そんなふうに考えたことを、つらつらと独断や偏見などをそのままに書いていきます。
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