Raspberry Pi OS で、ネットワークプリンタ LBP221 の設定を行います。
今回使用した機器は、次の通りです。
種類 | 機器 | 備考 |
設定対象サーバ | Raspberry Pi 3 Model B | Raspbian GNU/Linux 11 (bullseye) |
プリンタ | Canon LBP221 | モノクロレーザープリンタ |
次の名前解決設定を行っています。
項目 | 設定 | 備考 |
正引き | 192.168.1.20 lbp221.example.jp | ドメインは省略して利用 |
以下の手順でドメイン部分は、Linux 環境において /etc/resolv.conf で補完する domain 設定を行っており、省略しています。
また、Windows 環境でも hosts に記述しているため、筆者の環境ではどの端末でも上記名称のまま接続できるようになっています。
$ ping -4c1 lbp221
PING lbp221.example.jp (192.168.1.20) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 192.168.1.20 (192.168.1.20): icmp_seq=1 ttl=64 time=0.349 ms
--- lbp221.example.jp ping statistics ---
1 packets transmitted, 1 received, 0% packet loss, time 0ms
rtt min/avg/max/mdev = 0.349/0.349/0.349/0.000 ms
Canon 公式サイトで LBP221 のプリンタドライバが提供されていますが、Raspberry Pi の CPU には対応していません。
上記サイトを見る限り、動作確認済み OS に、Debian 11.5(Intel/AMD 32bit/64bit、ARM 64bit)が存在します。
Raspberry Pi OS は ARM になるのでプリントできそうに思えますが、標準で提供されるインストーラーではエラー終了します。
ここでは CUPS 開発者が推奨していることもあり、ドライバーレス印刷を行います。
なお、プリンタが次のいずれかの標準に対応していれば、ドライバーレス印刷が可能になります。
AirPrint™
IPP Everywhere™
Mopria®
Wi-Fi Direct Print Services
LBP221 はネットワークに対応しているので IPv4 アドレスを設定します。
詳細については、付属のマニュアルを参照してください。
ビジネス用途のプリンタだけあって、パスワード設定なども行います。
Wi-Fi にも対応していますが、設定時に接続できなかったため LAN ケーブルを使っています。
プリンタの Web UI にアクセスしてみます。
http://lbp221.example.jp/
表示されれば、プリンタが正常にネットワーク接続されていることが確認できます。
なお、管理者モードでログインするには、任意で設定したパスワードが必要です。
Raspberry Pi OS に、印刷に必要なパッケージをインストールします。
$ sudo apt install cups system-config-printer
ipptool で確認したところ [PASS] が表示されているので LBP221 は ipp に対応しています。
$ ipptool -tv ipp://lbp221:631/ipp/print get-printer-attributes.test | grep get-printer-attributes
"/usr/share/cups/ipptool/get-printer-attributes.test":
Get printer attributes using get-printer-attributes [PASS]
なお、LBP221 はモノクロレーザープリンタなので確認しませんでしたが、カラープリンタの場合は "image/jpeg" が含まれていることも確認します。
ドライバーレス印刷に対応しているので、lpadmin コマンドを使用して CUPS に登録します。
$ lpadmin -p LBP221 -E -v ipp://lbp221/ipp/print -m everywhere
$ lpstat -p
プリンター LBP221 は待機中です。2023年12月18日 11時08分09秒 以来有効です
オプション -p に指定するプリンタ名は、以後の印刷操作で使用するものなので、IP アドレスと紐づかなくても問題ありません。
また、-v オプションに使用するドメイン名も、IP アドレスで問題ありません。
環境に合わせて、適切に読み替えてください。
CUPS に用意されているテストページを印刷してみます。
$ lp -d LBP221 /usr/share/cups/data/default-testpage.pdf
Raspberry Pi OS の場合、debian で用意されたテストページが印刷されます。
- 2023.12.19 使用していた jimba.jp ドメインを、例示用のドメインとして example.jp へ変更。