祝日を返すマクロ [Excel VBA]

2024/03/26 05:56 OS別::Windowsその他::技術情報
Excel VBA で、毎年祝祭日リストを更新しなくても祝日を自動計算して返すマクロができないか見ていたら、なんとできそうでした。

使うためには、fnWeekday 関数(Public 関数)を Excel のセルに記述して利用してください。
少なくとも、2023年~2025年は問題なさそうです。
(2023.6.25 2025年の「敬老の日」が祝日にならない問題を修正)
(2024.3.2 Date 関数の戻り値が日付型と判定できない問題を修正)

最終的に挙動を確認した Excel バージョンは、次の通りです。
Microsoft® Excel® for Microsoft 365 MSO (バージョン 2401 ビルド 16.0.17231.20236) 64 ビット

仕様

モジュール

モジュール内の関数を Excel のセルで利用します。
主に利用する関数は fnWeekday です。

セルには =fnWeekday(シリアル値) を指定することで戻り値を得ることができます。

fnWeekday 実行サンプル
fnWeekday 実行サンプル

また、=fnWeekday(シリアル値, 1) のように第2引数に 1 を指定すると、平日と休日、祝日の名称のいずれかを得ることができます。
これが 2 の場合は「祝日の趣旨」(画像における D 列)を得ます。

fnWeekday オプションを指定時の実行サンプル
fnWeekday オプションを指定時の実行サンプル

出力利用例
セル内の記述例出力例備考
=fnWeekday(DATE(2024,5,5))8祝日を示す 8 を表示する
=fnWeekday(DATE(2024,5,5),1)こどもの日平日/休日/(祝日の名称)の、いずれかを表示する
=fnWeekday(DATE(2024,5,5),2)こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。祝日の趣旨を表示する
fnWeekday 以外の関数は、内部で細かい計算をするために使われます。
(もちろん、セル内で利用することも可能です)

戻り値

戻り値は、第2引数の指定で変化します。
上述したように、デフォルトで weekday 関数とほぼ同じ*1ですが、追加で 8=祝日としています。

以下、第2引数を明記した場合の挙動を記載します。
0の場合:数値(デフォルト)
第2引数に 0 を指定した(もしくは指定しない)場合に出力される番号です。
デフォルト
番号内部変数意味備考
1vbSunday日曜日
2vbMonday月曜日
3vbTuesday火曜日
4vbWednesday水曜日
5vbThursday木曜日
6vbFriday金曜日
7vbSaturday土曜日
8-祝日
1 の場合:名称
第2引数に 1 を指定した場合に出力される文字列です。
名称を返す
文字列意味備考
休日土日どちらか
平日土日祝以外の平日(実際は月~金曜日)
(各祝日名)祝日
祝日の名称は、国民の祝日に関する法律に準拠しています。
2 の場合:趣旨
第2引数に 2 を指定した場合に出力される文字列です。
趣旨を返す
趣旨意味備考
(Nothing)平日/休日であり、祝日ではない日
(各祝日の趣旨)法律などで定義される趣旨
(Nothing) については、表示しないように(Null 表示に)するかもしれません。

*1 : weekday 関数のデフォルトの戻り値は 1=日, 2=月, 3=火, 4=水, 5=木, 6=金, 7=土になっています。

関数

作成したモジュールは、つぎの五つの関数から成り立っています。

fnWeekday(Serial, [Switch])

このモジュールの本丸で、公式の weekday 関数のように使います。
戻り値として曜日(vbMonday から vbSaturday)だけでなく、追加で Holiday を意味する 8 も返します。

オプションには、シリアル値が必要です。
戻り値の内容を変えるために、Switch 番号も指定可能です。

第2引数を指定した際に、セルに表示される内容は、次の通りです。
Switch意味備考
0曜日と祝日を意味する 1~8 の数字を返すSwitch を省略した場合のデフォルト
1平日/休日/祝日の名称を返す
2祝日の趣旨を返す

fnDate(Year, Month, Day)

Excel 関数 date コマンドを模したものです。
オプションには、年・月・日の、三つが必要です。

Excel VBA の場合、DateValue コマンドを使えばいいのですが、年月日を文字列で指定しなければならないため、コードがかなり読みにくくなっていました。
可読性を目的に関数化しています。

fnHappyMonday(Year, Month, Weeks)

ハッピーマンデー制度でシリアル値を取得するのに必要な、x年x月の第x月曜日、という指定でシリアル値を取得するための関数です。
オプションには、年・月・第x週の、三つが必要です。

考え方としては、月の1日が何曜日なのかを見て、そこから月曜日が何日なのかを割り出します。
あとは、7日に第x週のx-1 を掛けたものを足してあげれば、シリアル値を取得できます。

fnVernalEquinox(Year)

春分の日を割り出し、シリアル値を取得するための関数です。
オプションには、年の指定が必要です。

1行しかない、かなり短いコードですが関数化しています。
計算で出力した日付ではない場合、ここで出力情報を調整する予定です。

fnAutumnalEquinox(Year)

秋分の日を割り出し、シリアル値を取得するための関数です。
オプションには、年の指定が必要です。

1行しかない、かなり短いコードですが関数化しています。
計算で出力した日付ではない場合、ここで出力情報を調整する予定です。

ソースコード

Option Explicit

Public Function fnWeekday(Serial As Date, Optional Switch As Byte = 0)
' #########################################################################
' #
' # 呼び出されると、引数の Serial から曜日/祝日情報を返すマクロ
' # デフォルトの戻り値は、以下の通り
' #
' # 戻り値の定義
' #  0 = 平日(月曜~金曜)
' #  1 = 日曜日(vbSunday)
' #  2 = 曜日月(vbMonday)
' #  3 = 火曜日(vbTuesday)
' #  4 = 水曜日(vbWednesday)
' #  5 = 木曜日(vbThursday)
' #  6 = 金曜日(vbFriday)
' #  7 = 土曜日(vbSaturday)
' #  8 = 祝日
' #
' #########################################################################

' ### 変数定義 #########################

Dim DEFpDayName     As String
Dim DEFpDayMeaning  As String
Dim pDayName        As String
Dim pDayMeaning     As String
Dim pRV             As Byte
Dim pYYYY           As Integer
Dim fSubstitute     As Boolean

' ### 変数設定 #########################

DEFpDayName = "平日"
DEFpDayMeaning = "(Nothing)"

pDayName = DEFpDayName
pDayMeaning = DEFpDayMeaning

pYYYY = Year(Serial)

' ### メイン処理 #######################

' serial に指定された年月日と、該当する年の祝日に相当するシリアル値を比較する。
' 該当の祝日であれば、第2引数通りに変数を設定する。
' もし該当の祝日名があれば、戻り値 8 を指定する。

Select Case Serial
    ' 日付が固定されているもの
    Case fnDate(pYYYY, 1, 1)
        pDayName = "元旦"
        pDayMeaning = "年のはじめを祝う。"
    Case fnDate(pYYYY, 1, 15)
        If pYYYY <= 1999 Then
            pDayName = "成人の日"
            pDayMeaning = "おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝い、励ます。"
        End If
    Case fnDate(pYYYY, 2, 11)
        pDayName = "建国記念の日"
        pDayMeaning = "建国をしのび、国を愛する心を養う。"
    Case fnDate(pYYYY, 2, 23)
        If 2019 < pYYYY Then
            pDayName = "天皇誕生日"
            pDayMeaning = "天皇の誕生日を祝う。"
        End If
    Case fnDate(pYYYY, 4, 29)
        If 2007 <= pYYYY Then
            pDayName = "昭和の日"
            pDayMeaning = "激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。"
        ElseIf 1989 <= pYYYY Then
            pDayName = "みどりの日"
            pDayMeaning = "自然の恩恵に感謝する"
        ElseIf 1948 <= pYYYY Then
            pDayName = "天皇誕生日"
            pDayMeaning = "天皇の誕生を祝う(昭和天皇)"
        ElseIf 1927 <= pYYYY Then
            pDayName = "天長節"
            pDayMeaning = "天地が永久であるように天皇の治世も続くように"
        End If
    Case fnDate(pYYYY, 5, 3)
        pDayName = "憲法記念日"
        pDayMeaning = "日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。"
    Case fnDate(pYYYY, 5, 4)
        If 2007 <= pYYYY Then
            pDayName = "みどりの日"
            pDayMeaning = "自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。"
        End If
    Case fnDate(pYYYY, 5, 5)
        pDayName = "こどもの日"
        pDayMeaning = "こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。"
    Case fnDate(pYYYY, 7, 20)
        If pYYYY <= 2002 Then
            pDayName = "海の日"
            pDayMeaning = "海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。"
        End If
    Case fnDate(pYYYY, 8, 11)
        ' 2014年制定、2016年より施工
        If 2016 <= pYYYY Then
            pDayName = "山の日"
            pDayMeaning = "山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する。"
        End If
    Case fnDate(pYYYY, 9, 15)
        If pYYYY <= 2002 Then
            pDayName = "敬老の日"
            pDayMeaning = "多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。"
        End If
    Case fnDate(pYYYY, 11, 3)
        pDayName = "文化の日"
        pDayMeaning = "自由と平和を愛し、文化をすすめる。"
    Case fnDate(pYYYY, 11, 23)
        pDayName = "勤労感謝の日"
        pDayMeaning = "勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう。"
    Case fnDate(pYYYY, 12, 23)
        If pYYYY < 2019 Then
            ' 以降、上皇陛下
            pDayName = "天皇誕生日"
            pDayMeaning = "天皇の誕生日を祝う。"
        End If
End Select

Select Case Serial
    ' ハッピーマンデー
    Case fnHappyMonday(pYYYY, 1, 2)
        ' 2000 年より適用
        If 2000 <= pYYYY Then
            pDayName = "成人の日"
            pDayMeaning = "おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。"
        End If
    Case fnHappyMonday(pYYYY, 7, 3)
        If 2003 <= pYYYY Then
            ' 2003 年より適用
            pDayName = "海の日"
            pDayMeaning = "海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。"
        End If
    Case fnHappyMonday(pYYYY, 9, 3)
        If 2003 <= pYYYY Then
            pDayName = "敬老の日"
            pDayMeaning = "多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。"
        End If
    Case fnHappyMonday(pYYYY, 10, 2)
        ' 2000 年より適用。2020 年より名称変更
        If 2020 <= pYYYY Then
            pDayName = "スポーツの日"
            pDayMeaning = "スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う。"
        ElseIf 2000 <= pYYYY Then
            pDayName = "体育の日"
            pDayMeaning = "スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう日"
        End If

    ' 春分/秋分の日
    Case fnVernalEquinox(pYYYY)
        pDayName = "春分の日"
        pDayMeaning = "自然をたたえ、生物をいつくしむ。"
    Case fnAutumnalEquinox(pYYYY)
        pDayName = "秋分の日"
        pDayMeaning = "祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。"
End Select

' 天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律
Select Case Serial
    Case fnDate(2019, 5, 1)
        pDayName = "天皇の即位の日"
    Case fnDate(2019, 5, 2)
        pDayName = "国民の休日"
    Case fnDate(2019, 10, 22)
        pDayName = "即位礼正殿の儀の行われる日"
End Select

' 振替休日
Select Case Serial
    Case fnDate(pYYYY, 1, 1) + 1
        If Weekday(Serial) = vbMonday Then fSubstitute = True
    Case fnDate(pYYYY, 2, 11) + 1
        If Weekday(Serial) = vbMonday Then fSubstitute = True
    Case fnDate(pYYYY, 2, 23) + 1
        If 2019 < pYYYY Then
            If Weekday(Serial) = vbMonday Then fSubstitute = True
        End If
    Case fnDate(pYYYY, 4, 29) + 1
        If Weekday(Serial) = vbMonday Then fSubstitute = True
    Case fnDate(pYYYY, 5, 5) + 1
        ' 5月5日が日曜~火曜日だったら、5/6 が振替休日
        If vbSunday <= Weekday(fnDate(pYYYY, 5, 5)) And Weekday(fnDate(pYYYY, 5, 5)) <= vbTuesday Then
            fSubstitute = True
        End If
    Case fnDate(pYYYY, 8, 11) + 1
        If Weekday(Serial) = vbMonday Then fSubstitute = True
    Case fnDate(pYYYY, 11, 3) + 1
        If Weekday(Serial) = vbMonday Then fSubstitute = True
    Case fnDate(pYYYY, 11, 23) + 1
        If Weekday(Serial) = vbMonday Then fSubstitute = True
    Case fnDate(pYYYY, 12, 23) + 1
        If pYYYY < 2019 Then
            ' 以降、上皇陛下
            If Weekday(Serial) = vbMonday Then fSubstitute = True
        End If
        
    ' ハッピーマンデー
    Case fnHappyMonday(pYYYY, 1, 2) + 1
        If Weekday(Serial) = vbMonday Then fSubstitute = True
    Case fnHappyMonday(pYYYY, 7, 3) + 1
        If Weekday(Serial) = vbMonday Then fSubstitute = True
    Case fnHappyMonday(pYYYY, 9, 3) + 1
        ' シルバーウィーク対応
        ' もし、敬老の日の2日後が秋分の日なら、国民の休日にする。
        If fnHappyMonday(pYYYY, 9, 3) + 2 = fnAutumnalEquinox(pYYYY) Then
            pDayName = "国民の休日"
        ElseIf Weekday(Serial) = vbMonday Then
            fSubstitute = True
        End If
        
    Case fnHappyMonday(pYYYY, 10, 2) + 1
        If Weekday(Serial) = vbMonday Then fSubstitute = True

    ' 春分/秋分の日
    Case fnVernalEquinox(pYYYY) + 1
        If Weekday(Serial) = vbMonday Then fSubstitute = True
    Case fnAutumnalEquinox(pYYYY) + 1
        If Weekday(Serial) = vbMonday Then fSubstitute = True
    'Case DateValue("2020/9/22")
    '    DayName = "秋分の日"

End Select

If fSubstitute = True Then pDayName = "振替休日"

' -----------------------------------------------------------
' 令和 2 年(2020年)及び令和 3 年(2021年)に限り、
' 東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催にあわせ、
' 「海の日」、「スポーツの日」及び「山の日」が移動している。
' -----------------------------------------------------------

' 令和2年 (2020) & 令和3年 (2021)
Select Case Serial
    ' 海の日
    Case fnHappyMonday(2020, 7, 3), fnHappyMonday(2021, 7, 3)
        pDayName = DEFpDayName
        pDayMeaning = DEFpDayMeaning
    Case fnDate(2020, 7, 23)
        pDayName = "海の日"
        pDayMeaning = "海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。"
    Case fnDate(2021, 7, 22)
        pDayName = "海の日"
        pDayMeaning = "海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。"

    ' スポーツの日
    Case fnHappyMonday(2020, 10, 2), fnHappyMonday(2021, 10, 2)
        pDayName = DEFpDayName
        pDayMeaning = DEFpDayMeaning
    Case fnDate(2020, 7, 24)
        pDayName = "スポーツの日"
        pDayMeaning = "スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う。"
    Case fnDate(2021, 7, 23)
        pDayName = "スポーツの日"
        pDayMeaning = "スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う。"

    ' 山の日
    Case fnDate(2020, 8, 11), fnDate(2021, 8, 11)
        pDayName = DEFpDayName
        pDayMeaning = DEFpDayMeaning
    Case fnDate(2020, 8, 10)
        pDayName = "山の日"
        pDayMeaning = "山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する。"
    Case fnDate(2021, 8, 8)
        pDayName = "山の日"
        pDayMeaning = "山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する。"
End Select

' 祝日値判定
If pDayName = DEFpDayName Then
    ' 平日/休日であれば、戻り値を 1~7 で指定する。
    ' ## 曜日選択 #####
    If IsDate(Serial) Then
        Select Case Weekday(Serial)
            Case vbSunday
                pRV = vbSunday
                pDayName = "休日"
            Case vbMonday
                pRV = vbMonday
            Case vbTuesday
                pRV = vbTuesday
            Case vbWednesday
                pRV = vbWednesday
            Case vbThursday
                pRV = vbThursday
            Case vbFriday
                pRV = vbFriday
            Case vbSaturday
                pRV = vbSaturday
                pDayName = "休日"
        End Select
    Else
        ' IsDate の判定内容にエラーがある場合
        fnWeekday = "祝日値判定エラー"
        Exit Function
    End If
Else
    ' 平日でなければ、戻り値を 8 で指定する。
    pRV = 8
End If

' ### 終了処理 #########################

' オプションの内容で、戻り値を変更する。
Select Case Switch
    Case 0
        fnWeekday = pRV
    Case 1
        fnWeekday = pDayName
    Case 2
        fnWeekday = pDayMeaning
End Select

' ######################################

End Function

Public Function fnDate(Year, Month, Day)
' #########################################################################
' #
' # VBA の date 関数は、Excel sheet の date 関数と異なり、文字列を指定する。
' # この関数は、セルで利用する date 関数と同じ使い勝手を実現するもの。
' #
' #########################################################################

fnDate = DateValue(Year & "/" & Month & "/" & Day)

End Function

Public Function fnHappyMonday(Year, Month, Weeks)
' #########################################################################
' #
' # ハッピーマンデー用のシリアル値を返す。
' # 指定された、Year 年 Month 月の第 Weeks 週の月曜日(シリアル値)を返す。
' #
' # 参考資料
' # http://www.relief.jp/itnote/archives/003241.php
' #########################################################################

Dim pMondayDate     As Byte
Dim pFirstMonDay    As Date

' ## 第1週目の月曜日を求める。

' 先に指定月の1日が何曜日なのかを見て、次の月曜日が何日なのかを指定する。
Select Case Weekday(fnDate(Year, Month, 1))
    Case vbSunday       ' 1
        ' x月1日が日曜日なら、月曜日は翌日の 2 日
        pMondayDate = 2
    Case vbMonday       ' 2
        ' x月1日が月曜日なので、そのまま 1 日
        pMondayDate = 1
    Case vbTuesday      ' 3
        ' x月1日が火曜日なので、月曜日は 6 日後の 7 日
        pMondayDate = 7
    Case vbWednesday    ' 4
        ' x月1日が水曜日なので、月曜日は 5 日後の 6 日
        pMondayDate = 6
    Case vbThursday     ' 5
        pMondayDate = 5
    Case vbFriday       ' 6
        pMondayDate = 4
    Case vbSaturday     ' 7
        pMondayDate = 3
End Select

' 第1週目の月曜日から何週間後なのか、必要な日数を足してシリアル値を返す。
fnHappyMonday = fnDate(Year, Month, pMondayDate) + (7 * (Weeks - 1))

End Function

Public Function fnVernalEquinox(Year)
' #########################################################################
' #
' # 呼び出されると、引数の Year から算出した 春分の日 情報を返すマクロ
' #
' # 参考 URL http://www.wanichan.com/pc/excel/2010/5/page07.html
' #########################################################################
fnVernalEquinox = fnDate(Year, 3, Int(20.8431 + 0.242194 * (Year - 1980) - Int((Year - 1980) / 4)))

End Function

Public Function fnAutumnalEquinox(Year)
' #########################################################################
' #
' # 呼び出されると、引数の Year から算出した 秋分の日 情報を返すマクロ
' #
' # 参考 URL http://www.wanichan.com/pc/excel/2010/5/page07.html
' #########################################################################
fnAutumnalEquinox = fnDate(Year, 9, Int(23.2488 + 0.242194 * (Year - 1980) - Int((Year - 1980) / 4)))

End Function

その他

zip ファイル

コピペより、インポート可能なファイルが良いという方向け。
現在バージョン
過去バージョン

更新履歴

  • 2023.3.5 細かい表現と、マクロの微修正を行った。
  • 2023.6.25 敬老の日に関するご指摘をいただき、ハッピーマンデーの扱いを修正*2 した。
  • 2024.3.2 オプションに Date を指定した場合 0 が返ってくる現象についてご指摘をいただき、IsDate 関数で判断する値を CVDate 関数で日付型へ事前に変換*3するようにした。
  • 2024.3.2 IsDate 関数で判断する Serial について、fnWeekday 関数にオプションとして入力する時点で Date 型であることを強制した。

*2 : シリアル値で祝日を判断するフローで、固定されていた敬老の日(2002年以前)を分岐させたあとにハッピーマンデーの分岐が来ており、ハッピーマンデー対象である敬老の日が分岐済みの扱いになってチェックされない流れになっていた。

*3 : VBA の IsDate 関数が、Date 関数で取得した値そのままだと、数値を日付と判断できない。

参考サイト様

Windows 11

2024/04/30 10:00 OS別::Windows

Windows 11



Windows 11 を使うにあたり、自身が使いやすいように行う初期セットアップ内容を記載したものです。
主に自身の備忘用であるため、内容については不足分があります。

アプリ

インストールアプリ(私物 PC)

プロプライエタリソフトウェア
プロプライエタリソフトウェア
アプリケーション種別備考
Adobe Photoshop Elements 2022写真編集オンラインコード版
Adobe Premiere Elements 2022動画編集オンラインコード版
Evernoteメモアプリ乗り換え検討中
Microsoft Office 365 Soloオフィスソフトサブスクリプション
Notron Internet Securityアンチウィルスサブスクリプション
シェアウェア
シェアウェア
アプリケーション種別備考
EmEditorテキストエディタ永久ライセンス
Becky! Ver2メールクライアント
Explzhアーカイバ元シェアウェア(登録済み)
フリーウェア
フリーウェア
アプリケーション種別備考
Tera Term Proターミナルソフト
Google Chromeブラウザ
LogiOptionsデバイスドライバLogicool デバイス用
Wiresharkトラフィックアナライザ
PIXUS MP560 MP Driverプリンタドライバ
各種ドライバBIOS/NIC/グラボ等
ISC BINDDNS ユーティリティdig コマンドを利用

アプリ設定

EmEditor

ライセンス登録
別途保管している、レジストリファイルからインポート。
設定の定義
シェルスクリプト(拡張子 .sh のファイル)に対する設定。

サクラエディタ

設定の定義
サクラエディタのマクロ - ダブルクリックした単語を自動検索 : arigayas の 雑記帳
マクロ
次の2行を記載したマクロを highlight.mac というファイルで保存。
S_SelectWord(0);
S_SearchClearMark(0);
保存先は、C:¥Program Files (x86)¥sakura¥macro¥ のようなデフォルトで。

設定→共通設定→「マクロ」タブで該当マクロを指定し、設定ボタンで設定。

次に、設定→共通設定→「キーの割り当て」で、種別「外部マクロ」から、ダブルクリックをマクロに割付。

以後、ダブルクリックすると、選択された内容が検索され、すべて色が変わる。

SCL テンプレート

2021/08/17 19:10 OS別::Linuxその他::シェル

シェルスクリプトテンプレート

シェルコマンド言語は、インタープリタの性質上、実行速度の面で不利です。
そのため、大規模なアプリとしての実装には向きません。

しかし、ログ出力といった最低限の機能は作るほうが、メンテナンス等で楽になります。
ここでは、シェルコマンド言語を利用する場合のテンプレートを公開しています。いずれもライセンスは 3条項BSDライセンス としていますので、自由に改変してください。
また、日本語を含むため UTF-8 で保存しています。日本語行を削除した場合は、エディタの実装によって ASCII や Shift JIS として処理されます。

テンプレート A (標準構成)

ひとつのファイルですべてを完結する、標準的なテンプレートです。

そのまま利用する場合は /var/log/script ディレクトリを事前に作成してください。
スクリプトの格納場所は指定しません。
利用時には Timing の Anytime か Cron どちらかを消してください。他にも不都合がある部分は修正してください。

ファイルは こちら からダウンロードできます。
template_a_20210807.zip

もしくは、下記をコピペしてください。文字コードを UTF8 にすることをお勧めします。
template_a.sh
#!/bin/bash
######################################################################
#
# Script name : template_a.sh
# Usage       : template_A.sh [-h] [-v]
# Update      : 2021.8.7   / Kazuya Jimba
#               yyyy.mm.dd / Name
# Timing      : Anytime
# Timing      : Cron (* * * * *)
#
#                 オリジナル配布元 http://ttm.jimba.ddo.jp/
#                 改変は自由ですが、改変者の責任に基づくものとします。
######################################################################

### Parameter and Bariable ###########################################
## Directory
pLogDir="/var/log/script"

## File
pLogFile="$(basename $0 .sh).log"

## Path
pLogPath="${pLogDir}/${pLogFile}"

## etc
pVersion="20210807.01"

## Numbers
nReportDay=0
nRV=0

## Flag

# Script log
# 0 - Script log
# 1 - Standard output
# 2 - Standard error output
# 3 - /var/log/messages
fLogOutput=0

### Function #########################################################
fnLog() {
  case ${fLogOutput} in
     0 ) echo "$(date '+%Y/%m/%d %H:%M:%S') $*" >> ${pLogFile};;
     1 ) echo "$*";;
     2 ) echo "$*" >&2;;
     3 ) /usr/bin/logger -t ${0##*/} "$*";;
  esac
}

fnErr() {
  echo "$*" >&2
  fnLog "Error: $*"
}

fnEnd() {
  case ${1} in
     0 ) fnLog "Normal end.";;
    11 ) fnErr "Read permission not exist (${2})";;
    12 ) fnErr "Write permission not exist (${2})";;
    13 ) fnErr "Exec permission not exist (${2})";;
    14 ) fnErr "Directory not exist (${2})";;
    15 ) fnErr "File not exist (${2})";;
     * ) fnErr "Unknown error (${2})";;
  esac
  exit ${1}
}

### Main #############################################################

# Environment check
fnLog "Script start (${0##*/})"
[ -d "${pLogDir}" ] || fnEnd 14 "${pLogDir}"
[ -f "${pLogPath}" ] || fnEnd 15 "${pLogPath}"

# Argument analyse
while getopts vh tOpt; do
  case ${tOpt} in
    h )
      fnLog "Option: Help message."
      echo "${0##*/} [-h] [-v]"
      echo "  [-v]              Version print."
      echo ""
      fnEnd 0
      ;;
    v )
      fnLog "Option: Version print."
      echo "Script version: ${pVersion}"
      echo ""
      fnEnd 0
      ;;
  esac
done

# xxxxx


### End ##############################################################
# report
nReportDay=$(( $(date -u +'%d' --date="@${SECONDS}") - 1 ))
fnLog "Exec Time: ${nReportDay} day $( date -u +'%H:%M:%S' --date=@${SECONDS} )"

# end
fnEnd ${nRV}

######################################################################

テンプレート B (Source あり)

source コマンド . で変数および関数を外部ファイルにした、中規模~大規模向けのテンプレートです。

デフォルトでは、スクリプトの格納場所を /usr/local/script で想定しています。
そのまま利用する場合は /usr/local/ ディレクトリにファイルを置いて、unzip コマンドで解凍してください。
ファイルは、次の構成になっています。
./script/
./script/template_b.sh
./script/conf/
./script/conf/common.cnf
./script/conf/template_b.cnf
./script/log/
./script/tmp/
展開後は、各ディレクトリ、各ファイルの権限を適切に変更してください。

利用時には Timing の Anytime か Cron どちらかを消してください。他にも不都合がある部分は修正してください。

ファイルは こちら からダウンロードできます。
template_b_20210808.zip

もしくは、下記をコピペしてください。文字コードは UTF8 をお勧めします。
template_b.sh
個別に作るスクリプトのテンプレートです。
コピーして使います。
#!/bin/bash
######################################################################
#
# Script name : template_b.sh
# Usage       : template_b.sh [-h] [-v]
# Update      : 2021.8.8   / Kazuya Jimba
#               yyyy.mm.dd / Name
# Timing      : Anytime
# Timing      : Cron (* * * * *)
#
#                 オリジナル配布元 http://ttm.jimba.ddo.jp/
#                 改変は自由ですが、改変者の責任に基づくものとします。
######################################################################

### Parameter and Bariable ###########################################
# common.cnf
if [ -f conf/common.cnf ];then
  . conf/common.cnf
else
  echo "Not exist conf/common.cnf"
  exit 1
fi

# template_b.cnf
[ -f conf/template_b.cnf ] || fnErrEnd 11 "conf/template_b.cnf"
. conf/template_b.cnf

### Main #############################################################

# Environment check
fnLog "Script start (${0##*/})"
[ -d "${pConfDir}" ] || fnErrEnd 14 "${pConfDir}"
[ -d "${pLogDir}" ]  || fnErrEnd 14 "${pLogDir}"
[ -d "${pTmpDir}" ]  || fnErrEnd 14 "${pTmpDir}"

# Argument analyse
while getopts vh tOpt; do
  case ${tOpt} in
    h )
      fnLog "Option: Help message."
      echo "${0##*/} [-h] [-v]"
      echo "  [-v]              Version print."
      echo ""
      fnEnd ${nRV}
      ;;
    v )
      fnLog "Option: Version print."
      echo "Script version: ${pVersion}"
      echo ""
      fnEnd ${nRV}
      ;;
  esac
done

# xxxxx


### End ##############################################################
# report
nReportDay=$(( $(date -u +'%d' --date="@${SECONDS}") - 1 ))
fnLog "Exec Time: ${nReportDay} day $( date -u +'%H:%M:%S' --date=@${SECONDS} )"

# end
fnEnd ${nRV}

######################################################################

common.cnf
スクリプト共通の設定ファイルです。
作成するスクリプトで追加したい共通機能があれば、こちらに追記します。

利用したい環境に応じて、各設定を変更してください。
######################################################################
#
# Script name : common.cnf
# Usage       : . ./common.sh
# Update      : 2021.8.7   / Kazuya Jimba
#               yyyy.mm.dd / Name
# Timing      : Anytime
#
#                 オリジナル配布元 http://ttm.jimba.ddo.jp/
#                 改変は自由ですが、改変者の責任に基づくものとします。
######################################################################

### Parameter and Bariable ###########################################
## Directory
pBaseDir="/usr/local/script"
pConfDir="${pBaseDir}/conf"
pLogDir="${pBaseDir}/log"
pTmpDir="${pBaseDir}/tmp"

## File
pLogFile="$(basename $0 .sh).log"

## Path
pLogPath="${pLogDir}/${pLogFile}"

## etc

## Numbers
nReportDay=0
nRV=0

## Flag

# Log Severity level
# NAME     Lv   Message content
# EMERG     0   System is unusable
# ALERT     1   Should be corrected immediately
# CRIT      2   Critical conditions
# ERR       3   Error conditions
# WARNING   4   May indicate that an error will occur if action is not taken.
# NOTICE    5   Events that are unusual, but not error conditions.
# INFO      6   Normal operational messages that require no action.
# DEBUG     7   Information useful to developers for debugging the application.
pLogNotifyLv=5

# Log output
# 0 - Script log
# 1 - Standard output
# 2 - Standard error output
# 3 - /var/log/messages
fLogOutput=0

# ログ管理 0=通知する
fEnLog=0
fEnLogEmerg=0
fEnLogAlert=0
fEnLogCrit=0
fEnLogErr=0
fEnLogWarn=0
fEnLogNotice=0
fEnLogInfo=0
fEnLogDebug=0

### Function #########################################################
fnLog() {
  case ${fLogOutput} in
     0 ) echo "$(date '+%Y/%m/%d %H:%M:%S') $*" >> ${pLogPath};;
     1 ) echo "$*";;
     2 ) echo "$*" >&2;;
     3 ) /usr/bin/logger -t ${0##*/} "$*";;
  esac
}

fnEmerg() {
  echo "$*" >&2
  [ "${fEnLogEmerg}" -eq "0" ] && fnLog "[Emergency] $*"
}

fnAlert() {
  if [ "${pLogNotifyLv}" -ge "1" ]; then
    echo "$*" >&2
    [ "${fEnLogAlert}" -eq "0" ] && fnLog "[Alert] $*"
  fi
}

fnCrit() {
  if [ "${pLogNotifyLv}" -ge "2" ]; then
    echo "$*" >&2
    [ "${fEnLogCrit}" -eq "0" ] && fnLog "[Critical] $*"
  fi
}

fnErr() {
  if [ "${pLogNotifyLv}" -ge "3" ]; then
    echo "$*" >&2
    [ "${fEnLogErr}" -eq "0" ] && fnLog "[Err] $*"
  fi
}

fnWarn() {
  if [ "${pLogNotifyLv}" -ge "4" ]; then
    [ "${fEnLogWarn}" -eq "0" ] && fnLog "[Warn] $*"
  fi
}

fnNotice() {
  if [ "${pLogNotifyLv}" -ge "5" ]; then
    [ "${fEnLogNotice}" -eq "0" ] && fnLog "[Notice] $*"
  fi
}

fnInfo() {
  if [ "${pLogNotifyLv}" -ge "6" ]; then
    [ "${fEnLogInfo}" -eq "0" ] && fnLog "[Info] $*"
  fi
}

fnDebug() {
  if [ "${pLogNotifyLv}" -ge "7" ]; then
    [ "${fEnLogDebug}" -eq "0" ] && fnLog "[Debug] $*"
  fi
}

fnParam() {
  fnDebug '[Param] $'"$1 = $2"
}

fnErrEnd() {
  # common.cnf を利用するスクリプト共通のエラー番号
  caseValue=$1

  case ${caseValue} in
     0) fnWarn "Normal number input...";;
     1) fnErr "Read Permission error ($2)";;
     2) fnErr "Write Permission error ($2)";;
     3) fnErr "Exec Permission error ($2)";;
    10) fnErr "Directory not exist error ($2)";;
    11) fnErr "File not exist error ($2)";;
     *) fnErr "Unknown error (${caseValue})";;
  esac
  exit ${caseValue}
}

######################################################################

template_b.sh
スクリプト個別の設定ファイルです。
必要の都度、コピーして使います。
######################################################################
#
# Script name : template.cnf
# Usage       : [template.sh] . conf/template.cnf
# Update      : 2021.8.7   / Kazuya Jimba
#               yyyy.mm.dd / Name
# Timing      : Anytime
#
#                 オリジナル配布元 http://ttm.jimba.ddo.jp/
#                 改変は自由ですが、改変者の責任に基づくものとします。
######################################################################

### Parameter and Bariable ###########################################
## Directory

## File

## Path

## etc
pVersion="20210807.01"

## Numbers

## Flag

# Log Severity level
# NAME     Lv   Message content
# EMERG     0   System is unusable
# ALERT     1   Should be corrected immediately
# CRIT      2   Critical conditions
# ERR       3   Error conditions
# WARNING   4   May indicate that an error will occur if action is not taken.
# NOTICE    5   Events that are unusual, but not error conditions.
# INFO      6   Normal operational messages that require no action.
# DEBUG     7   Information useful to developers for debugging the application.
pLogNotifyLv=5

# Log output
# 0 - Script log
# 1 - Standard output
# 2 - Standard error output
# 3 - /var/log/messages
fLogOutput=0

# ログ管理 0=通知する
fEnLog=0
fEnLogEmerg=0
fEnLogAlert=0
fEnLogCrit=0
fEnLogErr=0
fEnLogWarn=0
fEnLogNotice=0
fEnLogInfo=0
fEnLogDebug=0

### Function #########################################################
fnEnd() {
  # template.sh で利用するエラー番号
  case ${1} in
     0 ) fnLog "Normal end.";;
     * ) fnErr "Unknown error (${2})";;
  esac
  fnLog "Script end (${0##*/})"
  exit ${1}
}

######################################################################

コーディング規約案

2021/07/24 09:06 OS別::Linuxその他::シェル

シェルコマンド言語 コーディング規約案

いろいろな考え方があり、それぞれのプロジェクトで最適解が異なります。
規約のたたき台として、まずは作成しました。
参考の一助になれば幸いです。
ここでは、自分が使いやすい規約にしてみました。
臨機応変に変更してください。

Google Shell guide といったものも存在します。
https://google.github.io/styleguide/shellguide.html


プロジェクトにおけるシェルコマンド言語を利用したスクリプトは、視認性やメンテナンス性の向上を目的として、次の規約に則り作成すること。

汎用性の考慮

UNIX として共通の仕様である POSIX に規定された範囲でのコーディングとし、独自拡張は極力利用しないこと。

https://pubs.opengroup.org/onlinepubs/9699919799/utilities/V3_chap02.html

また、必要があって利用する場合は、ヘッダに注意事項として記載すること。
[Tips]
たとえば、Linux の for 文で C 言語のような ( i=0 ; i < x ; i++ ) という形式を利用できます。これは便利なのですが bash の独自実装なので汎用性が下がります。

スクリプト

スクリプトは、次の要件を満たすこと。

ファイル名
ファイル名は、英数字 + 拡張子とする。
拡張子
拡張子は、シェルスクリプト単体で実行するものを .sh とする。
また、変数や関数を別途まとめたファイルについては .src とする。
[Tips]
csh / tcsh / fish / bash / dash といった、シェルを複数利用するようなプロジェクトでは、拡張子をそれぞれに合わせた方が良いと思います。
bash しか利用しないことが分かっている環境で、シバンにも bash 指定のみの場合は .sh でも不都合はないと思います。

.src は、内容として bash なのですが source コマンド (ビルトインでは . コマンド) で呼ぶことを意図しています。
実行権限
実行権限は、システムとして特に指定のない限り 610 とする。
[Tips]
権限を 755 や 700 で運用することは多いのですが、セキュリティを考慮すると、権限は最小限にすべきでしょう。
ここでは本番環境を想定していて、作成するユーザと、実行するユーザが異なることを考慮しています。
所有者は、更新できるが実行できない。前提条件を満たさない、不用意な実行を阻止できる。
グループ(実行者)は、更新できないが実行できる。JP1 のような自動実行ユーザのスクリプト改変を阻止できる。

ファイル内容

構成
スクリプトは、次の構成を基本とする。
段落内容備考
ヘッダシバンやスクリプトの目的などを記載する。
変数宣言スクリプトが利用する変数を宣言もしくは指定する。source (.) での指定も可
関数宣言スクリプトが利用する関数を宣言する。source (.) での指定も可
メイン処理スクリプトが目的とする処理を行う。
終了処理一時利用のために展開していたテンポラリファイルの削除などを行う。

文字コード
文字コードは UTF-8 とする。
また、BOM は付与しないこと。
日本語はコメントに限定する。
[Tips]
コメントに日本語を使わない場合は ASCII を指定してもよいです。
むしろ ASCII として認識されるでしょう。
改行コード
改行コードは LF とする。
[Tips]
Windows でスクリプトを書くと、改行コードは考慮から漏れがちです。
Linux や UNIX 上で書くと気にしなくても良いのですが、プロジェクトの進行状況や管理方法次第で、どうしても Windows 端末での開発を行わなければならない状況もあります。
致命的ではない文字コードやインデントも指定するのですから、致命的エラーとなる改行コードは指定しておきましょう。
インデント
インデントは、半角スペース2つとする。
[Tips]
タブ (半角スペース4つもしくは8つ) だと、横に広がりすぎて視認性が悪くなることがあります。
シバン
シバンは、以下の通り bash とする。
#!/bin/bash
[Tips]
シバンとヘッダは、ひとまとめにしてしまっても良いかもしれません。
もしくは、拡張子の指定でシバンも固定することになるでしょう。
ヘッダ
スクリプトの冒頭には、スクリプトの概要を記載する。
項目内容備考
スクリプト名Script nameファイル名称を記載する。
変更Modify変更日・変更者・変更内容を記録する。

以下は、定義する際のサンプル。
項目内容備考
スクリプト名Script nameファイル名称を記載する。
目的Purposeスクリプトの目的を記載する。
引数Option指定可能なオプションを記載する。
変更Modify作成日を記録する。日付と担当者をひとまとめにしてもよい。
作成者Auther作成者を記載する。
更新日Update更新日を記載する。更新内容も併記するとなおよい。
権限Permission実行者や権限を記載する。
サンプル 1
# Script name: example.sh
サンプル 2
# スクリプト名: example.sh
# 目的: スクリプトサンプル
コメント
適宜コメントを記載すること。
コメント内は日本語で記述する。

サンプル
# システム

パラメータ関係

変数名
変数名は、別途定めるプレフィックス/サフィックスを含め、キャメルケースで指定する。
一部の予約された変数名以外は、単語の組み合わせで指定すること。
[Tips]
私がスネークケースよりキャメルケースのほうが読みやすいと感じるタイプなので、キャメルケースを指定しています。
メリット・デメリットを考慮して、規定するのが良いです。

変数名はスクリプト上部にまとめて宣言しておくので、エディタの画面分割機能でコピペすることが前提としてあります。
画面分割は vim でも可能です。
変数名が短くても、何回も手入力していればタイポする可能性は高いです。
プレフィックス
プレフィックスは、変数の用途に応じて次の文字を使用する。
文字用途備考
p汎用パラメータParameter を意図
n数値用パラメータNumber を意図
f0 を真としたフラグ情報Flag を意図
tループで頻繁に書き換える使い捨てパラメータTemporary を意図
iループ用に予約Integer を意図 (while/until での数値ループに使用)
sループ用に予約String を意図(for での文字列ループに使用)
サフィックス
サフィックスは、特定の用途で次の文字列を使用する。
文字用途備考
Path絶対パスでファイル情報を指定する場合に利用
Dirディレクトリ情報の場合に利用文字列の最後は / で終わること。
Nameファイル情報の場合に利用ディレクトリは含めないこと。
Enableフラグ管理など、0 で有効とする場合に利用
サフィックスとしての Disable は、Enable と併用すると混乱を招くことがあるので禁止する。
利用時の指定方法
変数を利用する場合は、ブラケットで括ること。
Exit Status
終了ステータスは、スクリプトの目的が満たされることを正常とし、正常終了した場合に 0 とする。

関数関係

関数は、
関数名
関数名は、別途定めるプレフィックスを含め、キャメルケースで指定する。
一部の予約された関数名以外は、単語の組み合わせで指定すること。
プレフィックス
プレフィックスは、変数の用途に応じて次の文字を使用する。
文字用途備考
fn関数 (ファンクション) であることを示す
テンプレート関数
fnLog
特定のログファイルに、毎回リダイレクトを記述するのは可視性としても悪くなり、ミスも誘発しやすい。
引数としてメッセージをログファイルへ書き込む関数を用意した。

スクリプトの進捗状況を記述する目的で利用すること。

サンプル
fnLog "Sample message"
fnDebug
開発時に利用したデバッグ用メッセージを、メンテナンス時にも再利用できるよう、フラグに応じて出力指定もできる関数を用意した。

デバッグ情報を記述する目的で利用すること。

サンプル
fnDebug "Debug message"
fnErr
シェルスクリプトが標準エラー出力を行うための関数を用意した。

エラー出力を記述する目的で利用すること。

サンプル
fnErr "Standard Error message"
fnErrEnd
存在しなければ即時で終了するための関数を用意した。

引数として、エラー番号と、対象のファイルまたはディレクトリなどを指定すること。

サンプル
[ -d "/etc" ] || fnErrEnd 14 "/etc"
[ -f "/etc/hosts" ] || fnErrEnd 15 "/etc/hosts"
[ -x "/bin/ps" ] || fnErrEnd 13 "/bin/ps"

メイン

オプション解析
getopts を利用した解析を行う。
[Tips]
    • help といったロングオプションを使いたい場合は、getopts ではなく、引数そのものを case で解析するほうがよいと思います。

備考

テンプレート
シェルスクリプト
サンプル
#!/bin/bash
############################################################
# Script name: example.sh
# Modify     : yyyy.mm.dd 名前 初版作成
############################################################

### Parameter and Variable #################################
pCommon=./src/common.src
if [ -f "${pCommon}" ]; then
  . ${pCommon}
else
  echo "${pCommon} not exist."
  exit 1
fi

### Function ###############################################
fnEnd() {
  # スクリプト内で異常終了する際の Exit Status と、メッセージ内容の定義
  nExitStatus=$1
  case "${nExitStatus}" in
     0 ) fnLog "Script ${0##*/} end.";;
     * ) fnErr "Unknown error ($2)"; nExitStatus=1;;
  esac
  exit ${nExitStatus}
}

### Main ###################################################
fnLog "Script ${0##*/} start."

## オプション解析
while getopts h OPT; do
  case ${OPT} in
    h )
      fnDebug "Option h used."
      echo "Usage ${0##*/} [-h]"
      echo " [-h]    help messages."
      fnEnd 0
      ;;
    * )
      fnDebug "Unknown option used."
      fnErrEnd 10 "${OPT}"
      ;;
  esac
done

# xxx 処理


### End ####################################################
fnEnd 0

############################################################
外部ファイル
サンプル
# 共通ファイル (common.src)

### Parameter and Variable #################################

## ディレクトリ
pLogDir="/var/log/script/"

## ファイル
pLogName=$(basename ${0%.*}.log)

## パス
# ログファイル
pLogPath="${pLogDir}${pLogName}"

# ヌルクリア
i=""
s=""

# Exit Status
nExitStatus=0

## フラグ
fDebugEnable=0

### Function ###############################################

# 目的:ログ出力
fnLog() {
  echo "$(date +'%Y/%m/%d %H:%M:%S') $*" >> ${pLogPath}
}

# 目的:デバッグ出力
fnLog() {
  [ "${fDebugEnable}" -eq "0" ] && fnLog "[Debug] $*"
}

# 目的:エラー出力
fnErr() {
  # ログ出力
  fnLog "$*"
  # 標準エラー出力
  echo "$(date +'%Y/%m/%d %H:%M:%S') $*" >&2
}

# 目的: エラー終了
fnErrEnd() {
  nExitStatus=${1}

  # 引数確認
  if [ -z "${nExitStatus}" ]; then
    fnErr "Not argument."
    exit 1
  fi

  case "${nExitStatus}" in
     0 ) fnErr "Function (fnErrEnd) argument error."; nExitStatus=1;;
    10 ) fnErr "Argument error ($2)";;
    11 ) fnErr "Read permission not exist ($2)";;
    12 ) fnErr "Write permission not exist ($2)";;
    13 ) fnErr "Exec permission not exist ($2)";;
    14 ) fnErr "Directory not exist ($2)";;
    15 ) fnErr "File not exist ($2)";;
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